今日は受験英語でもTOEICでも頻出のremember to~とremember~ingの違いを解説したいと思います。
無理やり覚える必要はありません。
文法に関しては、丸覚えではなく考えながら頭に入れていくことで、他の文法事項とつながるためより定着します。
多くの塾や学校の先生は、この二つの違いを未来のイメージと過去のイメージと教えていると思います。
実際そのイメージは間違ってはいないのですが、なぜそのようなイメージがあるのかは理解しているでしょうか?
ここが無理やり覚えているとすぐに忘れてしまう部分になります。
では、丸覚えではなく一緒に理解していきましょう。
remember to~のイメージ
ではまずはremember to~ のイメージです。
例文を見てみましょう。
I remember to call my mother.
「僕はオカンに電話するのを覚えている」
下の図を見てみましょう
これがremember toのイメージです。
「4/1の今の時点で、明日の10:00という未来にお母さんに電話をするということを覚えている」
という意味になります。
「電話しなあかんことちゃんと覚えてるからな!」という意味です。
これから起こることを覚えているので「未来」のイメージ、といわれています。
しかしここからがこの記事の目的。
なぜtoを使うと未来のイメージになるのでしょう。
そもそも
to
のイメージをご存知でしょうか?
みなさんが非常によく使うgo to~にも登場するtoです。
toのイメージは→(向かっていく)イメージです。
つまり先に向かっていくイメージがあるため、remember toは未来のイメージになります。
この「向かっていくために未来のイメージ」を頭に入れておけば、その他の不定詞を伴う動詞のイメージも一緒に頭に入れられます。
例えば
want, hope, decide, promiseなどが後ろに不定詞を伴う動詞ですが、「欲しい」「望む」「決意する」「約束する」の全部がこれから先のことに関係していますよね。
なのでtoは→(向かっていく)のイメージがぴったりということになります。
remember~ingのイメージ
次はremember~ingのイメージ。
これはよく過去のイメージと言われていますが、なぜ過去のイメージになるのかが説明されていることはあまりありません。
I remember calling my father.
「僕はオトンに電話したことを覚えている」
下の図を見てみましょう
remember to~の時とは違い「4/1の15:00の時点で、11:00にお父さんに電話したということを、記憶として覚えている」という意味になります。
「絶対お父さんに電話した!!」という意味です。
では、なぜ~ingの場合に過去のイメージになるのか。
ここからがポイントです。
厳密に言うと、~ingには過去のイメージではなく、繰り返しのイメージがあります。
例えば~ingを後ろに取る動詞を見てみましょう。
mind, enjoy, consider, practiceが代表的な例ですが、それぞれ「嫌に思う」「楽しむ」「熟慮する」「練習する」という意味です。
mind, enjoyに関しては、人間の感情ですよね。
人間の感情は一瞬だけで消えるものではありません。
「嫌に思う」という場合には繰り返し「嫌やなぁ〜、嫌やなぁ〜」と感じたり、「楽しむ」という場合には一瞬だけ「楽しい!」と感じるのではなく、繰り返し「楽しいなぁ〜、楽しいなぁ〜」と感じます。
これが繰り返しのイメージ。
considerに関しても、「考える」という意味なので、繰り返し繰り返し考えますよ。
practiceも練習するのは一度だけではありません。
何度も何度も繰り返し練習をしますよね。
なので、これらの動詞は後ろに~ingを使います。
ここでrememberに戻りましょう。
rememberの後に~ingが来るということは繰り返しのイメージ。
頭の中でぐるぐる覚えているもの・・・。
そう「記憶」のことです。
記憶は一瞬だけ残っているものではなく、繰り返し繰り返し思い出しますよね。
このイメージがremember~ingが「〜したことを覚えている」=「記憶」の話になるということです。
rememberでよくある間違い
今までたくさんの生徒さんを教えさせていただきましたが、その中でめちゃくちゃ多い間違いを取り上げます。
それは
remember to~は未来、remember ~ingは過去と覚えているため、rememberが過去形の場合に後ろを~ingにする間違いです。
I remembered to call my mother.
という文章を作ることができないんですね。
「remember過去形やから~ingじゃないんですか?」という質問がめちゃくちゃ出てきます。
もう一度、過去と未来のイメージを整理しておきましょう。
この過去と未来のイメージというのは、rememberという動詞を基準にした時に、そのremember「思い出す/覚えている」という動作よりも過去か未来のことか、を表します。
下の図をみると分かりやすいと思います。
rememberedを使うということは、今からみて昔のことを振り返っていることになります。
昨日の15:00の時点の話をすると、私はrememberedだったということです。
そして、その覚えていた内容を考えてみると、15:00より後のことを「思い出す/覚えている」という場合には未来のイメージになるため、to call、15:00よりも前のことを「思い出す/覚えている」という場合には過去のイメージになるため~ingということになります。
そしてわざわざ「思い出す/覚えている」と二つの意味を書いたのにも意味があります。
remembered to~が過去形で使われる場合には、rememberは「思い出す」という意味になります。
(remamber to~は「〜することを覚えている」)
これが言語の面白いところです。
僕も意味が違う気がしたため気になり、ネイティブに確認したところ、remember to~で使われるrememberとremembered to~で使われるrememberでは意味が異なるとのことでした。
一方~ingの方は現在形でも過去形でも意味は変わらず、「電話したことを覚えています」「電話したことを覚えていました」と両方とも記憶の話になります。
というように、rememberの使い分けが非常に難しい理由は、remember to~とremember~ingの二つの使い方があるだけでなく、rememberとrememberedで意味が変わるという部分いも関連しているのかもしれません。
forgetに関してもforget to~ forget~ingに関する過去と未来のイメージは同じです。
また、forgetの場合にはforget to~とforgot to~の間に違いはないためrememberほどややこしくはありません。
また何か面白い文法があれば取り上げてみます!