新しい受験方法のS-CBTを知っていますか?

今まで英検と聞くと毎年5月〜6月、9月〜10月、1月〜2月の年3回での受験が一般的でした。
しかし、2021年からS-CBTという受験方法が本格的に始まり、現在英検というと従来型の年3回ある英検と、S-CBTという形式の2種類の受験方法が存在するようになりました。

2種類あるけど同じ資格?

受験方法は少し違いますが、テスト内容は両方とも同じで、資格としての効力も両方とも同じです!
しかし、最近では大学受験にはS-CBTの方が必要とされ、従来型の英検を持っていたとしてもS-CBTの資格を要求される場合もあるようなので、受験生の人たちはどちらの受験方法で英検を取る必要があるのかを必ず確認してください!

どちらを受けるべき?

上でも書いたように、受験生の場合にはどちらで受けるべきか、自分の志望校の募集要項を確認する必要がありますが、英検の資格を取りたいと考えている人の場合どちらの方法で受験するかはそれぞれの好みによります。ここからは受験を考えている人たちにも紹介できるように、S-CBTを実際に受験してきたので、それぞれの特徴と違いを紹介したいと思います!(中学の時に準二級を受験して、リスニングが0点で不合格だったリベンジのために準2級を受験してきました👊)

従来型の英検

年に3回

従来型の英検は第1回検定が5月〜6月、第2回検定が9月〜10月、第3回検定が1月〜2月の年3回開催され、受験者はこの3回の中から好きな受験日を選んで受験することができます。受験回数に制限はなく、全てに申し込むことで1年間に最大3回まで受験する事ができます。
申し込み期間はそれぞれの日程の1〜2ヶ月前になるので、受験したい月の2ヶ月前には申し込みページを確認するようにしましょう。

試験は2日間&スピーキングは筆記試験合格者のみ

従来型の一番の特徴は、合格までに2回テストを受験しに行く必要がある事です。
1回目の日程を上で書いた3つの日程のうちのどれかから選択し、その日に筆記試験が実施されます。
その筆記試験の合格基準を満たし、合格する事ができれば約1ヶ月先に行われる面接試験に参加する事ができます。大体の面接の日程の目安は第1回筆記合格者が7月の日曜日第2回筆記合格者が11月の日曜日第3回合格者が2月の日曜日に指定されます。
従来型で申し込む場合には必ず翌月の日曜日の予定も確認しておきましょう!

テストの順番は 語彙/文法/読解/ライティング→リスニング→スピーキング

従来型の英検では初めに筆記試験を行い(ライティング含む)、その後リスニングの問題に取り組むことになります。スピーキングに関しては、上でも書いたように1次試験(筆記テスト)合格者のみ受験可能なため、1次試験に落ちてしまうと受験することすらできません。また筆記試験のテストの時間はそれぞれの級ごとに異なりますが、全員一斉に開始して一斉に終了します。リスニングも教室の前のスピーカーから流され、全員が同じ音を聞いて問題に解答します。

筆記〜リスニングはペーパーテスト、スピーキングテストは面接官との面接

従来型の筆記試験、リスニングテストは紙ベースのものになります。書き込みや線を引いたりすることも可能で、今まで受けてきた学校教育のテストと似ているため、僕たちのイメージする「テスト」の形で受ける事ができます。
そしてスピーキングテストはご存知の通り面接官との面接です。実際のコミュニケーションと近い形での試験になるので、「テストの問題に答えるだけ」ではなく、アティチュード(態度)など、面接官とのコミュニケーションも重要になります。

テスト終了後問題用紙を持って帰る事ができる

従来型の英検では問題用紙への書き込みが完全に自由で、テスト終了後にその問題用紙を自宅に持って帰る事ができます。なので、帰ってから問題を解き直すことも可能ですし、自分の選んだ答えに丸をつけておくことで、翌日に発表される解答速報を見ることで自己採点することも可能です。また、不合格の場合にはもどの問題を間違えたのかを確認する事ができるので、次の試験に備えた対策を行うことも可能です。

検定料が安い

従来型の英検は、S-CBTと比べて検定料が安い事が特徴です。
個人の受験料を3級から例に挙げると、
3級  6400円
準2級 7900円
2級  8400円
準1級 9800円
1級  11800円
です。

S-CBTの検定料が
3級  7200円
準2級 8500円
2級  9000円
準1級 9900円
なので英語の基礎レベルと言われている2級までの受験の場合には500円以上安く受験することができます。

1級の受験ができる

上の検定料の違いを見ると気づいたかもしれませんが、S-CBTでは1級の受験をすることはできません。
英検1級を取りたい場合には必ず従来型の英検を受験する必要があります。(準会場では1級を受ける事ができないので注意)

英検S-CBT

1年中ほぼ毎日受験日

これは今までの従来型の英検を受けていた人には衝撃的ですが、S-CBTは年末年次を除き、1年中ほぼ毎日受験する事ができます。また平日に受験することでキャッシュバックキャンペーンも実施されているので、詳細は英検の公式サイトをお調べください。
しかし一つだけ注意しなければいけないのは、毎日受験日があるからと言って10回、20回と受験する事ができるわけではなく、同一検定会内に最大2回までと言う受験回数制限があります。
簡単に説明すると、第一回4〜7月、第二回8〜11月、第三回12〜3月のそれぞれの期間内に2回ずつ受験する事ができるので、従来型の英検と合わせて1年間で最大9回まで英検にチャレンジする事ができます!(1級は従来型のみなので最大3回まで)
しかし、申し込み期間は従来型と同じように約1か月前が締め切りになるため、早めに申し込みを済ませましょう。

試験は1日で完結

S-CBTの最大の特徴は、スピーキングを含めて試験が1日で完結することです。スピーキングのテストも筆記テストと同じ日に行われるので、従来型の試験とは異なり筆記試験の結果に関わらず全員がスピーキングテストを受験する事ができます。逆に言うと、スピーキングテストも同日に行われるため、筆記テストと同時にスピーキングの対策もしておかなければいけません。

テストの順番は スピーキング→リスニング→語彙/文法/読解/ライティング

S-CBTのテストでは、パソコンベースで行われます。そのため、すべてのテストでパソコンを操作しながら受験する必要があるため、パソコンの操作に慣れていない人は少し苦戦するかもしれません。
ペーパーテストのように紙に書き込みができない分、メモ用紙が配布されるのと、読解問題ではパソコンの機能でラインマーカーを引いたり、気になる問題にチェックをつける機能などを使う事ができます。
また、1次試験免除の受験生も同じように参加するため、必然的にテストの開始がスピーキングテストからになります。まずパソコンの操作方法の説明があり、その後スピーキングテストが始まります。スピーキングテストが終わった後、それぞれのリスニング問題へと進み、その後筆記テストに進みます。テストの制限時間やリスニングの時間はそれぞれが始めるタイミングによって異なる為、試験終了時間も変わる上、早く終わった人はそのまま退出する事ができます。(スピーキングテスト、リスニングテストではそれぞれの問題に解答の制限時間が与えられますが、残り時間をスキップする事ができるので早く解答できた人は早くテストを終わらせる事ができます。)

ライティングは紙ベースかタイピングの選択、スピーキングテストはパソコンへの吹き込み

S-CBTではライティングに関しては紙ベースで解答をするか、パソコンでタイピングをするかを選択する事ができます。紙ベースでの解答は従来型の試験と同じように鉛筆またはシャーペンを使って解答を記入します。タイピングの方の特徴としては、タイピングに慣れていない人は時間がかかってしまう一方で、自分が一度書いた答えをコピー&ペイストする事ができるため、紙ベースでは難しかった、情報の追加が簡単にできます。
スピーキングでは、質問が動画で流され、それに対する答えをヘッドフォンについているマイクに吹き込む形になります。なので、コミュニケーションというより、「吹き込みのテスト」という感覚が強いため、コミュニケーションがない分やりづらく感じる人も出てくるかもしれません。また、相手の反応を見る事ができないため、自分の言ったことがあっているのか、合ていないのかを全く確認する事ができないのも特徴の一つです。

テスト終了後試験問題を持って帰ることはできない

S-CBTでは従来型とは異なり、パソコンベースでのテストになるため、試験問題を持ち帰る事ができません。また、配布されたメモ用紙も回収されてしまうため、自己採点を始め、問題の復習をすることもできません。解答速報も出ないため、結果発表まで自分がどれだけできていたのかを知ることは全くできません。

検定料が少し高い

上でも書いたように、従来型の英検よりもS-CBTの検定料が少し高くなります。
3級  7200円
準2級 8500円
2級  9000円
準1級 9900円

1級の受験はできない

2022年現在、S-CBTでは英検1級の受験をすることはできません。従来型の方でも、本試験会場のみという制約があることを考えると、今後も1級に関しては従来型のみとなりそうです。

メリットとデメリットまとめ

従来型

メリット

・検定料が安い
・慣れた「テスト」の感覚で受験できる
・スピーキングが人とのコミュニケーションなので話しやすい
・自己採点ができ、大体の結果の予想ができる
・テストを持ち帰り今後に役立てる事ができる
・1級の受験ができる

デメリット

・年3回しか受けられない
・受験日程に縛りがある
・テスト期間が2日
・スピーキングのテストを受けられない可能性がある
・面接官の当たりはずれがある

S-CBT

メリット

・受験日程に縛りがない
・最大6回まで受けられる
・テストが1日で完結
・スピーキングテストを必ず受けられる(評価がみれる)
・面接官に影響されない
・リスニングの時に解答時間が見えるので次の問題が流れるタイミングがわかる

デメリット

・検定料が少し高い
・パソコンの操作が必要(特にリスニングは操作しながら聞く必要あり)
・自己採点ができないため1か月後の結果発表まで予想できない
・スピーキングの際相手の反応を見る事ができない
・リスニングの際、聞きながら操作などマルチタスクになる可能性がある
・見直したい時など、前の問題を見るために見たい問題番号をクリックする必要がある
・問題確認のためのクリック後、一瞬ロードの時間が入るため紙ベースのように瞬時に確認できない
・メモは回収される

どっちが有利?結論

どっちが有利かの結論をいうと、人それぞれ異なるというのが結論です。ではどのように判断をすれば良いのか。まず、英検を取得する目的が受験や昇進などの場合、どちらの形で取る必要があるのかを必ず確認してください!どちらでも良い場合には、上でまとめたメリット、デメリットを比べて、自分にあった方で受講することをお勧めします。しかし、「とにかく英検という資格が欲しい」というのが目的の場合、どちらの試験方法でも関係がないため、試験日の近いものに申し込むのがお勧めです!
昔と比べて受験回数が多くなったぶん、チャレンジできる回数も増えているので、英検取得を目標にしている人はとにかく積極的にトライしていきましょう!
英検対策レッスンは随時募集中なので興味のある人はお問い合わせから連絡ください!