みなさんこんにちは。

僕のイギリスプレマスター留学も残すところあと3週間ほどになりました。

っということで、今日は僕がこのプレマスター留学の間にかなりお世話になった本を紹介したいと思います。

ですが、その前に僕の留学の歴史について少し振り返りたいと思います。(そんな大したものじゃない)

初めの頃に少し説明をしましたが、プレマスターコースはプレセッショナルコースとは違い、アカデミックイングリッシュ+自分の所属学部の授業を並行して勉強します。

なので一番初めの秋学期が地獄でした。

アカデミックイングリッシュの能力を育てるためにプレマスターには入っているのにもかかわらず、初めから、学部の授業の課題(特にエッセイ)も容赦なく与えられます・・・笑

秋学期をこえると、自分の英語力が少し伸びてくる+課題のこなし方もなんとなくわかってくるので、だいぶ楽になります。

僕はこの秋学期に自分なりの学習方法を見つけ出せたため、なんとかこのプレセッショナルコースも無事に終えられそうです。

なのでこれからプレマスターに行く人たちのためにも、少しだけ僕の経験を話したいと思います。

こちらに来てからの僕の学習において、他の人たちとの一番大きな違いが、イギリスでの自分の専攻学部と、日本で卒業した学部が異なるということでした。

プロフィールを読んでいただくとわかりますが、僕は法学部出身なんですね。(法学の知識は残念ながら全く残ってません・・・)

なので、言語学に関しては、こちらに来る前に少し自分で本を読んだりして勉強していました。(「しているつもりでした」が正しいかも)

しかし、こちらに来て直面したのが、授業で指定されている本を読んでも全く理解できない・・・

自分の中で原因はわかっていました。

全く知識のない専門書を英語で読んでも理解できるはずがない」っということです。

英語力がめちゃくちゃ高ければおそらく理解できると思いますが、僕のレベルでは全く理解できませんでした。

しかも分野が言語学なので例文にフランス語やドイツ語が使われたりするんですね・・・

全く理解できません。

そうこうするうちに1ヶ月半ぐらいが経ち、だいぶ焦り始めました。

その時、僕は「英語でわからんかったら日本語で読んだらいいんや!」ってなったんですね。

幸い日本の言語学の分野はかなり発達しているため、多くの本がありました。

イギリスでは日本の本(特に専門書)を購入するのは難しいので、アマゾンジャパンでかたっぱしから注文して、とりあえず日本の実家に届くようにしました。

そして親に全部こっちに送るよう頼みました。

その時に送った本が、この僕の留学を全力で助けてくれた救世主たちです。

前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが、今日はその救世主たちを紹介したいと思います!(本評価のところに出ているものもあります)

全部で7〜8冊ほど購入しましたが、その中でめちゃくちゃ役に立った5冊を紹介します。(個人的にこの5冊があれば言語学の主要な部分はほぼ理解できます)

まず1つめは『ことばの習得』(鈴木孝明・白畑知彦)

この本は第一言語習得と第二言語習得を分けてそれぞれの特徴を細かく書いてくれています。

本自体も「初めて言語習得を学ぶ人にもわかるように」というコンセプトのもとで書かれているので、初めて言語学を学ぶ人にはオススメの本です。(ちなみにこの本はこちらに来る前に購入して一度読んでいました。)

残りの4冊の本は第二言語習得がメインなのに対して、この本では第一言語習得に関しても大きく取り上げてくれているので、第一言語習得に関しての知識がとりあえず知りたいなら迷わずこの本を読むべきです。

他の本には取り上げられていない、主に第一言語習得研究の実験方法、(例えば、選好聴取法など)についても取り上げられていますし、第一言語習得における制約(事物全体制約など)についても書かれているため、第一言語習得の授業ではものすごくお世話になりました。

2つめは『第二言語習得 SLA研究と外国語教育』(佐野富士子・岡秀夫・遊佐典昭・金子朝子)

(クリックで詳細表示)

この本は1冊目の『ことばと習得』とは全く異なり、超ガチな本です。

内容的にはものすごく難しいことが書かれていますが、細かいところを知りたい場合などにはめちゃくちゃ役に立つ本です。

5冊の中で、バイリンガリズムについて一番細かく書いているのはこの本です。

第二言語習得の理論に関しても一番細かい分類分けがされていて、それぞれについての説明があるので、内容的にはめちゃくちゃ役立ちますが、やはりこの本を一言で表すと難しい!

なのでこの本を読む前には上で紹介した『ことばの習得』のようなやさし目の本をさらっと読んで、ある程度の知識をつけた上で読むことをお勧めします。

3つめは『詳説第二言語習得研究理論から研究法まで』(白畑知彦・若林茂則・村野井仁)

僕は1つ目に紹介した『ことばの習得』と、この『詳説第二言語習得研究理論から研究法まで』は全部読みました。

著者を見るとわかると思いますが、白畑さんが被っているので、似たような説明の部分もあります。

おそらく僕はこの2冊をとりあえず読んでみたことによって、第二言語習得についてはほぼ一通り理解できました。(この二つを読んだ後に英語の第二言語習得に関する本を読むと、理解できるようになっていました)

レベル的には『ことばの習得』と『第二言語習得 SLA研究と外国語教育』の間ぐらいです。(どちらかというと難しい)

この本では特にフォーカスオンフォーム(教授法の一つ)が細かく取り上げられているので、教授法に関する学習をする上でめちゃくちゃ役に立ちました。

また、研究論文の書き方に関しても紹介されているので、とりあえず留学する際には持参しておくと役に立つと思います。

4つめは『言語はどのように学ばれるか』(パッツィ・Mライトバウン/ニーナ・スパダ 白井恭弘・岡田雅子訳)

著者からもわかるように、もともと英語で書かれた本の翻訳版ですね。

これはめちゃくちゃ訳に立ちます。

翻訳版ということは元々のやつが存在します。『How languages are learned』

これですね

僕は図書館でこの原版をかりてきて、専門用語などを調べるときに利用しました。

他の本でも出てくる専門用語の英訳がわからない場合、この翻訳版の索引を引いて、どのページにあるか見つけた上で、原板の同じページを開くという方法です。

また、『How languages are learned』が基本的にどの授業でも推薦図書に入っているので、この本を一冊持っていればかなり多くの授業に役立てることができます。

最後の本が『第二言語習得と英語科教育法』(JACET SLA研究会)

この本は題名からもわかるように、教授法を中心に扱った本です。

先ほど述べたフォーカス本フォームなどの指導法や、4技能それぞれの観点からの指導法などが書かれています。

前半の部分では言語習得に関しても取り上げられているので、言語習得+指導法に関した本という感じでしょうか。

個人的に留学後半は特に言語習得に興味があったため、この本にお世話になることは少なくなっていったのですが、教授法の授業ではかなり役立ちました。

これらの5冊の本を何度もなんども読むことで、僕は言語習得や教授法の知識を増やしていきました。

もちろんこれらの本だけの知識では足りないので、これらの本から得た知識をもとに、英語の本も読んでいきました。

初めのうちはわからない専門用語がたくさんあったので、例えば「母語の転移」などについて理解しようとする時は、すべての本で「母語の転移」の箇所を読んで理解するようにしていました。

今思えばこの勉強法のおかげでかなりの知識を頭に入れることができたのではないかな、と思います。

もちろん人それぞれに合った勉強方法があるので、僕のやり方がベストとは言えませんが、少なくとも自分の中では成功した学習法だったので、参考程度に紹介してみました。

とりあえず一つ言えることは、「できるだけたくさん自分の分野の専門書は持って行くほうがいいよ」、って感じですね!

長くなりましたがこれぐらいで!

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