【第二言語習得論】幼児の音の分節化の方法(遷移率やリズムについて)

みなさんこんにちは。

今日は幼児がどのように、音を識別していくのかについて書いていきます。

どちらかというと、幼児に関することなので、第二言語習得というよりは、母語習得第一言語習得)に関することですが、第二言語習得論は母語習得の考え方に影響されているので、是非理解しておいてください。



みなさん、赤ちゃんがどのように音を判別するのか気になりませんか?

「何言ってんこいつ」ってなるかもしれませんが、これ、考えてみるとかなり高度なテクニックなんです。

例えば僕たち日本人の大人は、

「きのうともだちとごはんをたべにいったあとからおけにいきました」

この文章を耳で聞いた時(おそらく今読んだ時もそうですが)、どの部分が切れ目で、どのような文構造になっているのかきっちりわかります。

「昨日 友達 と ご飯 を 食べ に 行っ た 後 カラオケ に 行き ました」

こうなることが理解できるはずです。

なぜなら、僕たちは「昨日」という名詞や、「と」という助詞について知っているため意味の切れ目が理解できるんです。



しかし、赤ちゃんはどうでしょうか。

もちろん単語については全く知識がありません。

つまり、今例で挙げた発言を毎日毎日聞いているだけで、どのようにして文章の切れ目の理解(音の文節化 word segmentation)ができるようになるのだろうか、というのが音の文節化についての問題です。



まず一つ目の考え方は「遷移率 transitional probability」です。

遷移率


遷移率とは、「ある語の次に特定の音素が来る確率」と定義されています。

「なんじゃそりゃ」ってなると思うので例を挙げてみましょう。

「たまご」という日本語の名詞を考えてみましょう。

僕たちがこの単語を用いる時には必ず「た」の後に「ま」が続き、そのあとに「ご」が続きます。

つまり、「たまご」という単語内では、「た」の後に「ま」が続く遷移率は100%で、「ま」のあとに「ご」が続く遷移率も100%ということになります。

言い換えると、名詞などの単語内での遷移率は基本的に100%になります。(文章内でもおそらく「の」の遷移率などは高そうですよね)

なので、赤ちゃんは何度も繰り返し聴いているうちに、この遷移率を意識して音の文節化を行っているのではないのかというのが「遷移率」を主張する人たちの意見です。



しかし、英語でも日本語でもそうですが、動詞などは語尾が変化します。(英語だとsやedがついたり、日本語でも活用変化がありますよね)

っということは、遷移率だけでは音の文節化を切り出すことはできないのでは、ということになり、近年有力になってきている考え方が、リズムに基づいた文節化です。



リズムに基づいた文節化


リズムに基づいた文節化は大きく分けて3つあります。



強勢リズムstress-timed rhythm

音節リズムsyllable-timed rhythm

モーラリズムmora-timed rhythm

(詳しくはことばの習得 [ 鈴木孝明 ]



まず①の強勢リズムとは、英語やドイツ語のように「一つの強勢とそれに続く強勢のない部分にはほぼ一定の時間が費やされる」リズムです。

例えば強勢リズムの言語では


Ken, Kenny, Kennedy

この3つの単語の発音時間はほぼ同じになります。(赤字がストレスです)



②の音節リズムには、フランス語やスペイン語が当てはまり、このリズムの言語では「母音と子音の組み合わせから鳴る音節でリズムが刻まれ、一つの音節に対して同じ時間が費やされる」、と言われています。


先ほどの例を使うと

Ken, Ken・ney, Ken・ne・dy

というリズムの刻み方です。



③のモーラリズムは少し特殊です。

②の音節リズムを見た時に、「それ日本語もちゃん?」って思った人もいるかもしれませんが、日本語はこのモーラリズムに属します。

モーラリズムの言語では、「モーラ」というものが一つの単位として考えられ、このモーラには「ん」などの撥音便や「っ」などの促音便も一つのモーラとして考えられます。(この撥音便、促音便などが入る点が音節リズムとの違いです)


先ほどの例を使ってみると

  Ken,       Kenny,         Kennedy
「ケ」「ン」  「ケ」「二」「ー」 「ケ」「ネ」「ディ」「ー」

となり、一つの単語に費やされる時間が全て変わります。



っというようなリズムに着目して、幼児は少しづつ文節化を行っていく、というのが今一番強い説です。



では、これがどうして第二言語習得に使えるのか、というと、モーラリズムの日本語使用者の人間が、強勢リズムの英語を聞いた時、たとえ同じ単語でも費やされる時間が異なります。

つまり、強勢リズムに慣れていない日本人は、聞き取りの時、無意識にモーラリズムの聞き取り方で聞こうとしてしまうんです。

これが日本人のリスニング力の低さの1番の原因です。(リーディングでは音は関係ないため、聞いて分からなくても読んだら分かるということはよくあると思います)



言い換えると、日本人はリスニングが苦手というよりも、「英語の聞き方に慣れていないため、聞き取り方が間違っている」、というほうが僕は正しいと思います。

リスニング力を上げたい人は、まず、日本語と英語の違いを意識して聞き取りの意識を変えてみてください!



っということで、これぐらいで。



第二言語習得論一覧へ

Sponsored Link

単語帳選びで、こんな間違いをしていませんか?

「有名なTOEIC講師がおすすめしていたから」
「Amazonの売れ筋ランキングで上位だから」
、、、

そんな理由だけで、単語帳を選んでしまっていませんか?

単語帳で毎日勉強している人も多いと思います。そんな「毎日使う単語帳」が、そもそもあなたに合っていなかったとしたら、、、

あなたにぴったりの単語帳を選ぶ方法、あなたの目的に合った英単語の勉強方法をまとめたレポートを、期間限定で「無料」でプレゼントしています。

詳しくはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*